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夢の超特急(その3) [幻想の未来社会]

去年の10月23日、新潟中越地震(震度6)により上越新幹線の脱線事故が発生しました。「とき325号」10両編成の2両が脱線しましたが、幸いにも死傷者は出ませんでした。この時、多くのマスコミは「新幹線の安全神話が崩れる」と騒ぎましたが、この「新幹線の安全神話」って何なのですかね。そんな非科学的な表現を、過去にJRや所轄官庁が使ったとは思えないし…。

当時、この疑問を口にしたら、ある人から「マスコミが勝手に抱いた幻想でしょ。で、今回、その幻想が壊れたことを勝手に騒いでるだけ」と言われました。なるほど、その仮説なら納得できそう。

第一に、あらゆる大災害に対して「無事故・無運休」の「交通システム」なんて実現不可能です。次に、災害対策を強化することで、より災害に強い「交通システム」を構築することは可能です。でも、それによって運賃が高騰する様では、経済的にその「交通システム」は成立不能です。徒歩で移動しましょう。…まあ、国家的必要性に基づく経済性無視の「交通システム」もあり得るでしょうが、少なくとも民営化されたJRにそれを要求するのは間違っています。

さて、今回の脱線事故の是非を、(感情的ではなく)技術的観点から見るなら下記3項目が評価ポイントになるでしょう。

  1. JR東日本は、上越新幹線に対してどの様な耐震基準を定めていたか。
  2. その耐震基準は妥当であったか(発生頻度を低く見積もっていなかったか)。
  3. 今回の大震災に際して、上越新幹線はその耐震基準通りの耐久性を示したか。

もし、これら3点において上越新幹線が妥当な設計及び震災時の挙動を示しているのなら、今回の脱線事故に関してJR東日本が批判されるスジアイはありません。逆に、「設計通りの性能が出ましたね」とプラス評価されるべきです(もちろん、耐震基準の見直しは必要でしょうが)。個人的には「ユレダス」技術の価値だって、今回の脱線事故においても何ら揺らぐことはないと思います。

まあ、今回は死傷者が出なかったからこそ、私もこんな意見が言えるのでしょう。仮に、この事故で私の肉親が死傷していたら、きっと違うことを言っていたと思いますけどね...(^◇^;) でも、それは「感情論」。我が国の「交通システム」について批評すべきマスコミは、もっと多様な視点で語って欲しいのです。

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