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SFC時代の「幻のプレイステーション」 [ゲーム湯]

最近、据置き型家庭用ゲーム機の次世代機の話題が、ゲーム専門雑誌や専門サイト以外でも見かける様になりました。はたして、任天堂、ソニー(SCE)、マイクロソフトの次世代機はどんな形状や性能になるのでしょうか。また、次世代ゲーム機に相応しい面白いゲームソフトはどの程度発売されるのでしょうか。非常に興味深いところです。

さて、「次世代ゲーム機」という言葉は、1994年年末~96年にかけての任天堂の「NINTENDO 64」、セガの「セガサターン」、ソニーの「プレイステーション」の発売ラッシュの前夜、初めて使われる様になりました。この時の三つ巴の次世代ゲーム機競争の結果、安価かつ優れたゲームソフトが続々と誕生すると共に、家庭用ゲーム機業界のシェアが大きく変動しました。

この「第1期・次世代ゲーム機」競争を遡る1990年頃、当時のゲーム雑誌に興味深い記事が掲載されました。曰く、「任天堂は、スーパーファミコン用CD-ROM装置をソニーと共同開発する」、そして「これとは別に、ソニーはスーパーファミコンとこのCD-ROM装置を一体化したゲーム機を発売する。その名称はプレイステーション」。

いや~ 当時、スーファミ愛用者の私としては、NECの「PCエンジン」が始めたゲームソフト媒体のCD-ROM化によって、ROMカートリッジの記憶容量の壁を打ち破る、スーファミソフトの発売を期待して喜びました。事実、しばらくして同じゲーム雑誌に、スクウェアのCD-ROM対応ゲーム第一弾「クロノトリガー」の開発中の内容が掲載されました。そして、...それと同時に一抹の不安が...。ソニーが家庭用ゲーム機だって? そんなのムリじゃない? 当時のソニーはPCも売れず、ゲーム機もMSXで手痛いダメージを受けていました。まあ、でも、スーファミ互換の力で多少は売れるかな...そんな風に思ってました。

ところが、その1~2年後くらいでしょうか。またしても同じゲーム雑誌に、「CD-ROM装置共同開発の計画は白紙になった」という記事が載りました...。なんだそりゃ~ そして、スクウェアの「クロノトリガー」はROMカートリッジ用にゲーム規模を縮小して発売されました。

しかし、この話はそれで終わりません。さらにその1~2年後、ソニーはCD-ROM装置を内蔵した新規設計の家庭用ゲーム機を発表しました。それが、みなさんも良くご存じの「プレイステーション」。

一体、この背後にどんな動きがあったのか。...その概要は、1998年に発行された書籍「ソニーの革命児たち」を読んで知りました。...この本には「共同開発を通じて知ったソニーの技術力を恐れた任天堂が、CD-Iの普及を図りたいフィリップス社と結託して、ソニーとの共同開発を一方的に打ち切った」と書かれています。この本に書いてあること総てが真実かどうかは知りません。ただ、当時のソニー側担当者が「久多良木氏」であり、CD-ROM化を任天堂に提案した本人であることは、間違いのない事実でしょう...(^◇^;)

いや、私はこの経緯をもって「任天堂のやり方は卑怯だ」とか、「プレイステーションの成功は久多良木氏の復讐劇だった」とか言うつもりは全くありません。任天堂の判断は企業として当然のことでしょうし、プレイステーションやセガサターンの採用したCD-ROM化により、ゲームソフトは安くなり、数多くのソフトメーカの新規参入を促して、家庭用ゲームの世界は大きく広がりました。

ただ、SCE社を指揮して、同社を一大ゲーム機メーカに育てた「久多良木氏」の底知れぬパワーは、ここが原点かも知れないな...などと「人間の意志の力」に驚嘆するのです。


IDGコミュニケーションズ「ソニーの革命児たち」より
幻のSFC+CD-ROMのプレイステーション

さて、来年度から始まる「第3期・次世代ゲーム機」競争。どの家庭用ゲーム機メーカが大きくシェアを伸ばすのでしょうか。私はアーキテクチャの面白さから、とりあえずプレイステーション2の次世代機を購入する予定です。ですが、次世代ゲーム機が出揃って1~2年したら、私にとって面白いゲームソフトが数多く発売されるゲーム機に乗り換える予定です(それが、プレイステーション2の次世代機だとしても、そろそろ買い換え時期でしょう...^^;)。過去の経緯や、アーキテクチャなんかより、家庭用ゲーム機にとって重要なのは、その人にとって面白いゲームソフトが揃っているかどうか...ですよね~(^。^)

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