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探査機「はやぶさ」小惑星に着陸成功!^^ [宇宙村]

12月26日朝、日本の小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」JAXAサイトプロジェクトサイト)が小惑星「イトカワ」に対する2度目の着陸&離陸に成功。今度こそ、小惑星の岩石採取に成功した様です(どれだけ採れたかは地球帰還後のお楽しみ^^;)。

(c)JAXA
 (fig.1)小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」

探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」に到着した時も、当ブログでご紹介(こちら)いたしましたが、同探査機は2003年5月にM-V型ロケットにより打上げられました。

1年4ヶ月間の飛行後、小惑星「イトカワ」に到着した探査機「はやぶさ」は、まず、イトカワ近傍からの科学観測を済ませました。そして、いよいよ岩石採取のために、(リハーサルを含めて)イトカワに対する数回に渡る下降&上昇を試みた結果、本番2回目の着陸&離陸時、無事に岩石採取に(多分)成功しました。

今後、探査機「はやぶさ」は小惑星「イトカワ」を離れ、1年6ヶ月間の飛行を行なって、地球へ帰還する予定です。そして、採取した岩石の入ったカプセルを分離。同カプセルは大気圏再突入後、オーストラリアで回収される予定です。

既に、探査機「はやぶさ」に搭載された姿勢制御装置(リアクションホィール)3基の内、2基が故障するなど、万全の状態とは言い難い状態での帰還飛行。そして、秒速12kmという(シャトル等の)地球周回軌道から比べて2倍の速度による再突入。

だいたい、月より離れた場所からの地球帰還&回収は、昨年秋に太陽-地球系第1ラグランジュ点から帰ってきたNASAの探査機「ジェネシス」が世界初の挑戦でした。...で、同機はパラシュート放出に失敗して、ユタの砂漠に墜落する結果となりました(こちらのサイト記事が詳しいです)。つまり、そんな非常に新規性の高いチャレンジだったりします。

いやあ、ワクワクしましね...o(^-^)o


ところで、探査機「はやぶさ」のJAXAサイトの記事に、興味深い「表」があります(この頁の一番下の表)。その表のタイトルは「ミッション達成度」。つまり、同機の時間順のミッション達成目標と、それに対する達成度の目安が点数で示されています。

...で、今回成功した「イトカワにタッチダウンしてサンプル採取」の達成度は...300点ですか。すなわち、現時点で、同機に課せられたミニマムサクセス(最低限の成功目標)の3倍程度の目標が達成された...ということになります。

私は、この表が、「はやぶさ」計画の苦悩を代弁している様に思えてなりません。

仮に、計画立案時のノミナルサクセス(標準的な成功目標)が「イトカワとランデブー成功」で、そこから先の計画がオプションだったとしても、最終ゴールとなる「カプセルが地球に帰還~」及び「イトカワのサンプル入手」まで成功しなければ、多くの人々は「はやぶさ」計画を『失敗』と思うでしょう。

もちろん、最終ゴールまで、余裕をもって運用可能な探査機を開発すれば問題ないのでしょうが、そのためには充分な開発予算や期間が必要です。でも、この世界、そのために打上げが何年か遅れている間に、欧米に先を越されかねません。

その苦悩の結果、探査機「はやぶさ」の成果が『成功』と『失敗』の白黒だけでなく、中間の評価ができることを示すため、あの「ミッション達成度」表が同サイトに載った...というのは穿ち過ぎた見方ですかね...(^▽^;)

ちなみに、探査機「はやぶさ」を開発&打上げたISAS/JAXA(旧宇宙科学研究所)は、過去、欧米より低い開発予算の中で、比較的小規模の科学衛星を手早く開発することにより、世界トップクラスの科学成果を挙げてきました。


追記:探査機「はやぶさ」は着陸直後のトラブルにより、しばらく音信不通の状態が続きました。現在、「はやぶさ」は小惑星「イトカワ」の近傍を飛行しながら、地球帰還準備を進めています。幾重もの不具合に見舞われながらも、ミッション継続を諦めない「はやぶさ」運用メンバーには頭の下がる思いです。


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コメント 6

レモンソーダ

いや~~、この探査機、すごいみたいですね~!ニュース見ていて理解できました^^; きっと世界初の成果を持ち帰ってきてくれるはず。でも帰ってくるのが2年後らしいですねww ワープで帰ってきなさい!!w

P.S. この探査機、いとかわにちょっとしか止まっていられないはずなのに、30秒ほど着陸していたらしいですね。なんででしょ??宇宙人が押さえてた、なんて冗談もありますがww
by レモンソーダ (2005-11-28 00:18) 

ブリザド

レモンソーダさん、こんばんは^^

>でも帰ってくるのが2年後らしいですねww
私が探査機の責任者だったら、その間に、胃に穴が開きそうです^^;;;

>宇宙人が押さえてた、なんて冗談もありますがww
そっか~!! さっそく、ISAS/JAXAに連絡だ~(ぉぃ

...マジメな話、探査機「はやぶさ」の着陸&離陸は自律飛行方式
なので、搭載コンピュータが...ええっと...着陸状態のままで、何か
考え込んでいたんじゃないでしょかね...(>▽<;; アセアセ
by ブリザド (2005-11-28 00:32) 

レモンソーダ

ちょっと質問があります^^;

テレビでやっていたんですが、もし地球からイトカワまで新幹線で行ったら、100年以上かかるということなんですが、探査機はどうやってそんなにスピードを出しているんでしょう?
by レモンソーダ (2005-12-02 12:03) 

ブリザド

レモンソーダさん、こんばんは^^

>探査機はどうやってそんなにスピードを出しているんでしょう?
うはっ! こりゃまた、難しいご質問ですね~(^◇^;)

地球は約30km/秒で太陽の周りを回っているので、地球引力圏を
脱した探査機が、さらに数km/秒(時速1万km)ほど加速すれば
イトカワの軌道に移ることができます。

これまでの火星探査機(片道)などでは、打上げロケットのパワーで、
この数km/秒ほどの加速を行なっていました。

それが、イトカワとの往復飛行を行なうハヤブサでは、まず、1年間
イオンエンジンを噴射して軌道をずらし(運動エネルギーを溜める)、
続いて地球フライバイ(地球の引力で飛行方向を曲げる)することで、
イトカワの軌道に乗り移った模様です^^

こんなご返答で...どうっすか~(;^_^A
(ご教授いただいた歌島さん、どもです(^人^))
by ブリザド (2005-12-02 18:22) 

レモンソーダ

ありがとうございました!!w 地球なんかの星の力を借りてスピードを出したということですね。ハンマー投げですねww

帰りはどこの星に投げてもらうんだろう。
by レモンソーダ (2005-12-02 21:08) 

ブリザド

>帰りはどこの星に投げてもらうんだろう。
イオンエンジンを噴かして地球付近まで戻ってきたら、採取した岩石
を載せたカプセルが探査機本体から放出、地球の大気圏に突っ込ん
で減速する様です。
で、パラシュートを広げてオーストラリアに軟着陸の予定。

こんな小惑星からの大気圏再突入も、世界初のハズです...(^▽^;)
by ブリザド (2005-12-02 22:09) 

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