超小型衛星XI-V打上げ^^ [宇宙村]
10月27日15時52分(日本時間)、ロシアのプレセツク基地からCOSMOS-3Mロケットが発射されました。このロケットには衛星8機が相乗りしており、その中の一つが、東京大学中須賀研究室が独自に開発した超小型衛星XI-V(サイ・ファイブ)です。
既に、中須賀研では超小型衛星XI-IV(サイ・フォー)の打上げ(2003年6月)&運用(現在も動作中)に成功しており、今回のXI-Vはそれに続く衛星打上げになります。
私は運良く、27日午後に中須賀研と同じフロアで用事があったので、中須賀研の入り口ドア前でXI-Vの打上げに立ち会うことができました(写真:1、2)。
(1)ロシアのプレセツク基地から発射されるCOSMOS-3Mロケット(ネット中継)
(2)打上げ直後、沸き立つ中須賀研(+見学者)の様子^^
[超小型衛星XI-IV、XI-V]
東京大学中須賀研究室のHPによると、 同研究室が行なういくつかの超小型衛星プロジェクトの一つにCubsatプロジェクトがあります。このCubsatプロジェクトは、国際的な枠組みの中で教育目的の超小型衛星Cubsat(寸法:10cm立方、質量:1kg)を開発・打上げるもので、現在は60を越える世界中の機関がCubsat衛星開発を行なっているとのこと。
そして、その東大Cubsat-1号機のコードネームがXI-IVであり、そのバックアップ機として作られたのが今回のXI-Vです。詳しくは、中須賀研のCubsatサイトをご覧下さい。
[COSMOS-3Mロケット]
今回、XI-Vと共に8機の衛星を打上げたCOSMOS-3Mロケット(SL-8)は、ロシアの中射程弾道ミサイルR-14(SS-5)をベースに開発された衛星打上げ用ロケットで、初期モデルのCOSMOS-1は1964年にダミー衛星3機の同時打上げに成功しています。
Russian Space WebやJAXAスペース百科によると、このCOSMOS-3Mは2段式の液体ロケットで、燃料は酸化剤:四酸化二窒素(N2O4)と推進剤:非対称ジメチルヒドラジン(UDMH)の組合わせです。輸送能力は、高度250kmの極軌道ならば1400kg、高度1000kmの円軌道ならば950kg。なお、今回は高度約690kmの極軌道(太陽同期軌道)への打上げの様です。
このCOSMOS-1/-3/-3Mシリーズは既に数百発も打上げられており、充分に使い込まれた衛星打上げロケットと言えます。
追記:当初、東大Cubsat-1号機をXI-VIと書きましたが、これはXI-IVの誤りです(単純な誤記)。ご指摘頂いた歌島さん、ありがとうございます。
COSMOS-3Mは2段式なのですね。2段式で軌道投入というのは、それほど容易ではないそうなので、凄いですね。Falcon1も2段式ですが、エンジンの問題で打上げが12月頃まで延期になったようです。
なお、XI-VIでなくXI-IVです。細かい事を言ってすみません。
by 歌島昌由 (2005-10-29 02:32)
歌島さん、こんばんは^^
>COSMOS-3Mは2段式なのですね。
2段目を再着火して軌道投入する様です。
>XI-VIでなくXI-IVです。
うわ~(/ω\) ヤッチャッタ...。さっそく修正しました。
ご指摘、ありがとうございます。
by ブリザド (2005-10-29 23:26)